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僕とサンダース

サンダースは得意の素早さを活かしてピジョンの背後に回りこんだ。

「いいぞ。今だサンダース、電気ショック!」


僕にとってイーブイは初めてのポケモン、初めてのパートナーだった。

そのイーブイがサンダースに進化したのは僕が10歳のとき。

ある日父さんがタマムシシティのデパートからお土産で「かみなりの石」を

買ってきた。そのとき父さんはただ綺麗だったからという理由で

買ってきただけでイーブイに進化をもたらすなんてことも毛頭知らなかった。

もちろん僕も知らなかった。だから突然イーブイがまったく違う姿に変わってしまって

当時の僕は大泣きした。

こうして突発的に僕とサンダースはコンビになった。


ピジョンを倒しサンダースを抱いて撫でてやるとサンダースも僕の頬を

なめかえしてきた。「かわいい奴め」

改めてサンダースに進化してくれてよかったと思う。

イーブイは他にも様々に進化するがサンダースは他に比べて

素早さが飛びぬけている。今みたいに素早いピジョンの背後をとれたのは

その素早さがあってこそだ。せっかちだと辞任している僕にとって

サンダースは最高の相棒だ。

中学3年、15歳になった僕とサンダースのコンビ歴はもう8年になる。

最近じゃあコンビネーションにもますます磨きがかかり、

学校のクラスでも負けなしで、地元ではなかなか有名な名コンビとして名を

はせるまでになっている。向かうところ敵はなし。そんな感じだ。


草むらを出て町に戻る途中、サトコに出会った。サトコはお隣さんで、

小さいころから一緒にいる幼馴染だ。

「どう、調子は?」

サトコはサンダースの頭を撫でながら聞いてきた。

「週末の大会へ向けての最終調整ってとこ?いけそう?」

「まぁね。そっちはどうなんだよ?ブースター調子いいの?」

サトコのブースターと僕のサンダースは同じ日にある人物からイーブイの

卵として譲り受けたものだ。だからイーブイとのコンビ歴は僕とサトコは

まったく同じだった。そういう意味でもサトコは僕にとっての一番身近な

最大のライバルだ。

「もっちろん!優勝狙ってるんだから。サンダース、悪いけど負けないからね~」

「何言ってんだ。優勝は僕とサンダースで決まりだよ!」

「ムリムリ。いくら最近負けなしっていっても電気タイプじゃ厳しいよ。だって聞いた?

この辺りじゃ最強って噂されてる高校生のポケモンって地面タイプらしいよ。

だから電気のサンダースじゃその人に勝てないよ」

「やってみなきゃわかんないよ!電気が効かなくたってサンダースの

スピードで何とかしてみせるさ!」

少しムキになってしまった。

「うん。まぁそれだけ気合入ってるなら大丈夫か。それじゃあお互いベストを

尽くそうね」

そう言うとサトコは草むらの方へ向かっていった。どうやらあちらも最終調整に

入るようだ」

「優勝しような、サンダース」

サンダースは僕の気持ちに呼応するように、静かに僕の足元にすり寄ってきてくれた。


―大会当日、本日・・・雨天なり!!

いける!雨なんてサンダースにとって最高の天候じゃないか。天も僕らに味方してくれている。

これはもしかると本当に優勝を狙えるかもしれない。

さぁ、いくぞ。サンダース。


思ったとおり僕たちは順調に勝ち進んでいった。今日のサンダースは絶好調だ。

かみなりは雨のおかげで100発100中だし、10万ボルトも威力は倍増している。

そして何より誰もサンダースのスピードについてこれない。

準決勝もあっという間に試合を決め、ついに決勝戦まで上り詰めた。

もう一つの準決勝ではサトコが試合を行っていた。かなり押されているようだ。

対戦相手はイワーク使いのトレーナー。どうやら高校生みたいだ。

あれがサトコの言っていた優勝候補か。たしかに強そうだ、見るからにイワークは

鍛え抜かれている。それにサトコのブースターは炎タイプ。ただでさえイワークとは

相性が悪いのにおまけに雨だ。これは難しいかもしれない。

結局サトコは負けてしまった。試合後サトコは僕に目を真っ赤に充血させて「仇とってよね」と

一言残して走り去ってしまった。あいつ、意地っ張りのくせに泣き虫だからな。あれが精一杯

だったんだろう。今頃誰も見ていないところで泣いているだろうな。

よっしゃ、サトコのぶんまでやってやろうじゃないか。なぁ、サンダース!


午後6時、会場には照明が灯された。決勝戦―開始!

「相性が悪すぎる・・・」

試合が開始されてからまだ5分もたっていないがピンチが続いている。

電気技はまったく通じない。かといって物理タイプの攻撃では相手のイワークに

びくともしない。

こちらの攻撃が通用しない一方で、こちらは相手の攻撃に少しずつ押されてきた。

今は何とかスピードでしのいではいるが、イワークの穴を掘る攻撃で会場が穴だらけに

されてしまい、そのスピードも活かしきれなくなってきている。

またしてもイワークは穴の中にもぐりはじめた。

「なんとかしなきゃ」

そのとき穴の一つに何か黒光りしているものを見つけた。あれは・・・水道管か。

ひらめいた!頭からイメージが湧き出してくる。

「サンダース!ミサイル針!目標は・・・水道管だ!!」

サンダースの体毛はみるみる鋭さを増していき、水道管に向かい放たれる。

命中。小さな穴が無数に空けられる。その穴から水が少しずつ漏れ出し、ダムが決壊したかの

ように小さな穴は一つの大穴となり、激流が一気にイワークの潜る地中へと流れ出す。

その水流の勢いたるや、そう、まるでーハイドロポンプ。

地中からイワークのもがく鳴き声がしばらく聞こえていたが、やがてそれも聞こえなくなった。

そして穴から激しい水とともに戦闘不能のイワークも顔を出した。

勝敗は決した。勝った。優勝だ!

「やったぞ!サンダース!」


表彰式が終わり、トロフィーを手に上機嫌でいるところにサトコが祝福にやってきてくれた。

「優勝おめでとう。だけどやりすぎね。水道管破裂させるなんてどういうつもりよ?

断水になっちゃたらどうするつもりよ。」サトコはあきれながら話す。「だけどあのひらめきは

確かにすごかったね。あれがなかったら勝てなかったもんね。とにかくおめでとう。

落ち着いたらあんたの親連れてウチに来て。今夜は優勝パーティなんだから。

ウチの親、私かあんたかどっちかが必ず優勝するって決め付けちゃっててさ~。

すっごいご馳走だから期待して来てね。」 準備手伝ってくる。と,サトコは先に

家に帰っていった。サンダースト二人きり、ベンチに腰掛ける。

「僕たち、やったよな。本当によくやってくれた。ありがとな」 サンダースをあらためて

抱きしめる。サンダースも嬉しそうに喉を鳴らす。

とりあえず町で1番になることができた。だけど目標はまだまだ遠い。遥か彼方だ。

目指すはポケモンリーグ制覇。イーブイの卵を僕らにくれたこの町の英雄である

あの人のように。

「ま、とりあえず今日はお疲れ様。よっしゃ、食べるぞ~ 。サトコのお母さんの料理、

久しぶりだな。あれすっごい美味しいんだよな。目一杯食べて、ゆっくり寝よう。

そして明日からまたガンガン鍛えていこうな」

こいつと一緒なら本当にどこまでだって行ける気がする。だからこれからもよろしくな。

サンダース!


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猫とビールと我輩と2

広告には連絡先などは書かれておらず、集合場所と日時だけが右隅に

ひっそりと書かれていた。

集合場所は大学の近くにそびえている大きな木の下。大樹といっていいだろう。

この町1番の大木だ。だから入学間もないまだこのあたりの地図が

頭に入りきっていない音子にでもその場所はすぐにわかることができた。

「それにしても居酒屋のバイトの面接なのに変な集合場所だよね、

普通自分の店でするものじゃないのかな?お店、そんなに分かりにくい

場所にあるのかな?それとも超狭いとか?」

音子は集合時間の10分前に木の下に着いたが、そこには誰もいなかった。

少し早すぎた、まぁいずれ誰かくるだろうと思っていた。

しかし、集合時間を過ぎても希望者も、居酒屋の店員らしき人も現れはしなかった。

「時間まちがえたかなぁ。」 少し心配になり、音子は辺りを見渡した。

そのときふと、音子の身体が中に浮いた。布団で寝ているとき身体が突然落ちる

感覚。それに近い。

何の前触れも無く突然木の周り一面に大穴が口を開けた。

音子は暗闇に吸い込まれていった。

遊園地にある落下系のアトラクションでも落下している時間はせいぜい10秒程度。

それどころの話ではない。もう1分くらいは落ち続けているかもしれない。

落ちた瞬間は自分の身に何が起きているのかまったく理解することが

できなかった音子でも、これだけ長い時間落ちていると真っ白だった

頭の中にも色が生まれてくる。

「何?どうなってるの?こんなことありえないし・・・そうか、これは夢ね・・・。」

と、そのとき。激突。お尻をしこたまぶつけた。「いった~。けど痛いってことは

これは夢じゃないのね。」痛みのせいだろうか、自分でも妙に冷静ねと

音子はズキズキするお尻をさすりながら涙目になった目を開いた。

今日は信じられないことが次々と起こる日らしい。

自分の目を疑いたくなる。

落ちてきたはずなのに、目の前では居酒屋が店を開いていた。


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猫とビールと我輩と1

「アルバイト募集中!経験不問・週2日~OK・昇給制 

アットホームな私たちのお店で一緒に働きましょう!」

大学の掲示板をぼんやりと眺めていた桜井音子(ねこ)の目に

そのアルバイト募集の広告は留まった。

「へ~、いいじゃん!」

入学して3ヶ月、そろそろアルバイトをはじめてみたいなと思っていた

音子にとってこの条件はなかなか魅力的であった。


「で、仕事はどんな内容なの?」

うどんをすすりながら友人の高田あゆみが尋ねてきた。

「えっと、個人経営の居酒屋みたい。」

「大丈夫なのそれ?怪しくない?」

音子と高田は語学の授業で席が隣同士であったことから仲良くなった、

音子にとって大学での友人第1号だ。今もこうして二人学食で食事をしている。

「多分大丈夫だと思うよ。それに忙しそうな雰囲気も広告見るかぎり

伝わってこなかったし。私アルバイトって初めてだからさ。チェーン店みたいに

明らかに忙しそうなところよりもいいと思うんだよね。

まぁ違うな、と思ったらまた違うアルバイト探すことにするよ。

それじゃあ私次も授業あるから。」

そう言ってつき見そばをかき込んで音子は席を立った。

「そんな掲示板なんてあったかな。」次のコマに授業がなかった高田は

音子が言っていた掲示板に向かって歩いていた。音子にああは言ったが、

大学が紹介しているアルバイトなら確かに安心できるし、よさそうな物件が

あったら自分もやってみようかなと思っていた。


「音子の奴、どこのこと言ったのよ。」

高田は不満げに呟いた。

音子に場所は文学部掲示板の隣と言われたが、

そこに音子のアルバイトの広告はおろか掲示板そのものがなかった。

校舎の壁がそびえ立つだけで、「はじめからそんなものはなかったよ。」

と言われているようだった。


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自分改造計画7

先輩に言われたとおり大学生活を謳歌するため

オレは積極的に女性陣に話しかけるようになった。

さらには圧倒的な男女比、需要と供給の不均衡も手伝ったおかげで

オレはかわいがってもらうばかりか、かなりモテるようになった。

俗に言うモテ期というやつだろうか。

入部当時地獄だったサークルは天国に様変わりした。

だけど、それにつれて先輩とはあまり話せなくなってしまっていた。

というよりもなんだか意識的に距離をとられているような気がする。

そんなある日、先輩と仲がいいA先輩が酒の席で話しかけてきた。

話の内容に驚いたー。

話の内容はこうだ。

先輩は男子に全然免疫がなかったということ。

先輩に相談を持ちかけたとき、先輩もA先輩に相談していたということ。

先輩も必死だったということ。

オレのことを入部当時から気に掛けてくれていたこと。

そして、オレのことを好きみたいだということ。

明らかに言いすぎたという表情をしながらA先輩は「これ秘密ね。」と言ってきた。

一番知られたくないであろう本人に知られて、誰に秘密にするのだろうか。

A先輩は酔っ払いながらその後も何か話しかけてきていたがまったく耳に

入ってこなかった。先輩のことしか頭になかった。先輩のかわいい一面を知り、

先輩のことをとても愛しく感じていた。

「もしもし?」

「先輩ですか?ちょっと相談したいことがあるんですけど・・・」

家に帰るとオレはいてもたってもいられずに先輩に電話をかけた。

「なになに~?あっテストのこと?そろそろ近いもんね~。いいよ~。

でも今日はちょっと勘弁して。

飲みすぎちゃったみたいでさ~、速攻寝たいんだよね~。」

「わかりました。それじゃあ明日の空いた時間にお願いしますね。」

「わかった~。それじゃおやすみ~。」

明日必要なのは慣れじゃない。ありったけの勇気だけだ。

次の日、相談場所は大学の近くの喫茶店―初めて先輩に

相談を持ちかけた場所だー

「一応去年の過去問もって来たよ。一通り揃ってると思うんだけど。」

「オレ聞きました。先輩が実は男子に免疫なくって、それでもオレために

協力してくれたってこと。」

「すみません。テストのことじゃないんです。」

「誰から聞いたの?」

先輩の顔が赤い。かわいい。

「それは言った人のためにも秘密です。」

「わかってる。どうせAでしょ?そうに決まってる。それで他には?

他に何か聞いた?」

「それはまぁいろいろと・・・。」

先輩の顔がますます赤くなる。赤くなりながら「あいつ死刑ね・・・」小さく呟く。

「それで先輩、相談なんですけど。」

「・・・何?」

いくぞ、勇気を出せ。

「今度は先輩の特訓を二人でしませんか?先輩の男子への免疫つけるために。

今度はオレがリードして見せますよ。」

先輩が困り顔で笑う。

「だけどそれってもう意味ないんじゃ・・・君とはもう慣れちゃってるわけだし・・・。」

ふりしぼれ!

「オレが先輩と一緒にいたいんです。今度はずっと。」

暑い。手汗がすごい。

先輩の顔もすごい。

「いいの?私年上だしあんまりかわいくないよ?」

「そんなことないです。それにオレ、妹しかいなくって、年上のお姉さんって

存在に憧れてたんです。」

「そっかぁ。それじゃあしょうがないね。」


次の休み

「それじゃあ今日はオレに任せてください。」

「そうする。それでどこに行くの?」

「映画です。」

先輩は笑った。

「まぁいいや。行こう」

歩き出した。だけど今回は以前と違う。

肩を並べて歩いているし、それに・・・オレと先輩の手もつながっている。

                        終わり


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自分改造計画6

すぐさま電話をかけた。7,8回コール音が鳴ってようやく先輩は電話に出た

「 今日で終わりってどういうことですか?」

「そのままの意味だよ。今日でどこかに出かけたりするのはおしまいってこと。

電話なら相談事があったらしてきてよ。今回みたいに悩みがあったらのるからさ。」

「それはありがとうございます。ってそうじゃなくって!

どうして突然おしまいなんですか?」

なんだかそわそわする。

「今日サークルでの君を見てたらさ、あ、これはもう必要ないなって思ったの。

同期とも先輩たちとも上手く話せてるみたいだし、それは自分でもわかるでしょ?」

「それは・・・よくわかります。自分で驚いているくらいですから。」

「でしょ?それなら君の悩み、目標かな。それは達成されたわけでしょ?

それならもう私と何かするんじゃなくて、これからは自分でやりたいことして

自分で楽しい大学生活を作っていかないと。」

「それは・・・そうですけど、それの協力はしてくれないんですか?」

「甘い!自分でやらないと。いつまでも私に頼っちゃ駄目だよ。それにそろそろ

お金がなくなってきちゃってね。またバイト始めることにしたの。

だから今までみたいに時間とれなくなるんだ、ごめんね~。」

電話の後、オレはぼんやりとテレビを見ていた。

何も言い返すことができなかった。

オレのために先輩は時間を割いてくれてお金まで使ってくれていた。

そのせいで金欠になったのだからオレが「まだ続けていきたい」

なんて言えるはずもなかった。

感謝しても文句を言える立場じゃないことだけはよくわかっていたから。

ただー、さみしくなる。それもよくわかっていた。

・・・先輩に言われたとおり大学生活を謳歌しないとな。

そんなことを考えながらオレは床に就いた。


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自分改造計画5

次の休みも、そのまた次の休みも先輩はオレと一緒に出かけてくれた。

時間も長くなっていき、なんと一日丸ごと使って、夢のランドにまで

遊びに行けるまでになったのだ!

平日の夜には電話にまで応じてくれる。

10分が30分、30分が1時間に。長電話ってこういうものなのかと初めて知った。

カチカチに緊張していた最初の頃に比べて、

オレは信じられないくらいリラックスして話せるようになっていた。自分から話題を

提供するくらいになったのだから、われながら驚く。

この先輩との特訓の賜物で、オレは少しずつではあるがサークルの女子とも

話せるようになってきた。

先輩の言ったとおり女子と気軽に話す最大のポイントは「慣れ」だった。

マニュアルや度胸なんてものはまるで必要なかった。

さらにすごいことに先輩の言った「一人に慣れたら後は楽勝」というのも本当だった。

たくさんの女子と少しずつ話すより、一人の女子としっかり話したほうが

どうやらいいらしい。量より質といったところなのだろうか。

このことを後で先輩に話したら、「そんなこと言ったっけ?人によるんじゃない?」と

笑っていた。でまかせだったらしい。

とにかくオレにはそれが向いていたみたいで、6月の梅雨入りの前には

サークルの輪の中にすっかり溶け込むことができていた。

女子とも緊張せずに話せるようになり、

どうやらつまらない男のレッテルも剥がれ、

とりあえずは普通の男子、サークル仲間と認めてもらえたようだ。

周囲の冷たい目はなくなり、サークルの居心地も良い。

そのことを話したら先輩はお祝いといって夕食をおごってくれた。

先輩と食べる食事は美味しかったし、楽しかった。

ハンバーグセットは子供っぽいと笑われたけどそれも含めてだ。

ここ数日の進歩を見ると、改造計画大成功といったところだろうか。

正直、こんなに上手くいくとは思っていなかった。

これもひとえに先輩のおかげだな、そう思っていると

メールが鳴った。先輩からだ。


「今日でおしまい。」


まだ夕食のハンバーグセットのソースの味が口の中に残っていた。


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自分改造計画4

次の休み、オレは先輩と新宿を歩いていた。

(うわ、本当に実現しちゃったよ。どうしよう。)

正直、待ち合わせの場所で先輩が来るまでドッキリじゃないかって

内心不安だった。だけど先輩は来てくれた。おまけにオシャレまでしていて

―きれいだった。

「それじゃあどこ行こうか?」

「えっ、先輩決めてなかったんですか?てっきりもう決めているんだと・・・。」

先輩が来てすぐに歩き出したので行き場所は決まっているとばかり思っていた。

「もう、何も考えてなかったの?こういうものは男の人がプラン練って

リードするものだよ。」

「・・・すみません。なにせこういうのって初めてで。今日まで緊張しっぱなしな

だけでした。」

先輩は微笑んだ。

「初心な後輩というものはかわいいのう。いいよ、お姉さんにドンと任せなさい。」

先輩は携帯電話を取り出し、何か調べ始めた。

「よし、それじゃあ映画でも見よっか。それならおしゃべりが苦手な君も安心だし、

見終わったら感想も言い合えるし話のネタには困らないでしょ。」

オレのこの前葉話した苦手なことまでしっかり考えてくれている先輩には

後光が差して見えた。

携帯電話を閉じると先輩は突然早足になった。

「時間ちょうどよさそうなのあったからちゃっちゃと行こう。」

「待ってくださいよっ。」

オレはあわてて先輩の後を追った。

映画は先輩がCMを見て見たかったという大型連休を狙って

大々的に宣伝していた映画に即決した。というようリ選択権はなかった。

―まぁ自分も見てみたかった映画だし文句はなかった。

というより、ここまでリードしてくれている先輩には文句どころか

感謝の気持ちで一杯だった。

映画はあれだけ宣伝しているだけあって面白かった。

隣で見ていた先輩も夢中になっていたしかなり良かったんじゃないだろうか。

映画館を出たときにはもう昼の2時を過ぎていたので、近くのファーストフード店で

遅い昼食をとることにした。

そこでの映画話は面白かっただけに大いに盛り上がった。

といってもそこでは先輩の独壇場だった。

「でね、あそこのーがー」「あの場面はー」「あのセリフはー」「・・・!」「・・・!・・・!」

オレは相槌を打ちながら完全に聞き役に徹していた。

「ごめんごめん。私ばっかり喋ってるね。申し訳ない。」

ジュースを飲みながら先輩は一息ついた。

「いいですよ、自分の考え言うのあまり得意じゃないですし、思ったことは

先輩がだいたい言ってくれましたから。」

「そう、それじゃあまぁいいね。」

少し恥ずかしそうに先輩は笑った。

(先輩って笑ってるとき本当に輝いてるな・・・)

そんなことを考えているとき突然先輩が言ってきた。

「それじゃあ今日はもう帰ろっか。」

「え。」

ちょっと意外だった。まだ3時くらいだし、他にもどこか行くものだと思っていた。

「キミ君~、焦ってはいけないよ。慣れないことをいきなりやっても上手くいかないよ。

こういうことは少しずつ回数を増やしながらしていくものだよ。女の子と気軽に

話せるようになりたいんでしょ?だったら慣れる為にも回数こなさなくっちゃ。」

「え、それじゃあ今日だけじゃなくてまた付き合ってくれるんですか?」

「そりゃそうよ。たった1回で変われるわけないでしょ。それとも何?

これだけでもうサークルの女の子たちと話せるようになったと思ってるの?」

「とんでもないですよ!これだけで変われたらあんなに悩んだりしませんよ。

オレにしてみればまた先輩に付き合ってもらえるなんて大歓迎ですし、

ぜひお願いしたいところなんですけど・・・先輩の迷惑になりませんか?

せっかくの休みなのにこんなことで先輩の休み潰しちゃって。」

「いいのいいの。今はバイトしてないしね。提案したのも私からだし。

それに君が変われるまで面倒見ないと目覚めも悪いからね。

-私も楽しいし。」

先輩が最後に言ったことは声が小さくて聞こえなかった。

とにかく先輩に相談して大正解だった。ただただ感謝だ。

せっかくここまでしてくれてるんだ。先輩にがっかりされないためにも

自分改造計画、なんとしても大団円を迎えなくちゃいけない。


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自分改造計画3

「やっぱり慣れるしかないんじゃないのかな。」

自信なさそうに先輩はアイスコーヒーをストローでかき回した。

「慣れですか?」

「うん、だってさ、いろいろ方法とか考えたって机上の空論じゃない。

とにかく話す。これだと思うよ。」

先輩は何度もうなずきながら答えはこれしかないといった具合だ。

先輩自信をを納得させているみたいだ。

「慣れですか。やっぱり先輩もそうやって男子と気軽に話せるようになったんですか。」

「え!?ま、まぁね~。そんなことより君のことだよ。とにかく実践してみようよ。」

先輩は一気にアイスコーヒーを飲み干した。

「そんないきなりやれって言われても、困りますよ。昨日先輩にメールするのだって

いっぱいいっぱいだったんですから。」

「う~ん。そっかぁ。じゃあさ、それこそ慣れとして、私とどこか行って練習しよう!

一人と話せるようになったらあとは楽勝よ!」

胸を張って先輩が提案してきた。

オレはというと・・・

(それってデートじゃないの!?)

テンパっていた。頭の中が大混乱。いろいろな想像が駆け巡る。

「お~い、聞いてるの?」

「す、すみません、ぜひ、ぜひお願いします。」

「よし、決まりね。それじゃあ次の休みに早速行こう。そろそろ授業だし店出よっか。」

こっちから誘ったのにもかかわらず、先輩は「先輩だから」とおごってくれた。

次の授業はまるで頭に入ってこなかった。

(私とどっか行こう)

デートと思っているのはオレの勘違いでしかないだろう。

だけど先輩のあの言葉を思い出すだけで頭がボーっとしてくる。

男ばかりの人生に突然の転機。なんだか夢を見てるみたいだ。


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